歴史認識について

日本人の歴史認識の特徴は、右派左派問わず1945年を「歴史の終わり」として認識していることではないだろうか。右派は1945年を悠久の歴史を持つ「日本」国の滅亡であると考え、左派は明治以後日本が進んだ「特有な」近代化の末路として考える。なんとなく、「現代」がぽっかり空白になってしまう。「ドイツ特有な道」論に対するトマス・ニッパーダイの批判として、「ヴェーラー君やモムゼン君の特有な道論って19世紀の歴史を1945年にすべて結びつけちゃってるけどさー、その道って実は現代にものびてるんじゃねーの?」というものがあるが、この批判は案外日本にも通用する部分がある気もする*1。「歴史理論なんて全部跡付けですよ!」といってしまえばそれまでなのだが、さすがにマイネッケ先生のような戦前と戦後の豹変振りはどうかと思うだろう。
こういう「歴史の終わり」を共有している国って以外にない気がする。日本、ドイツのほかにあるか?ロシア?
このへんに呼応してみました。http://d.hatena.ne.jp/Jonah_2/20050108#p2

*1:まあ、この批判、あまりやりすぎると「ある時代はその時代の文脈でしか把握し得ないのであって云々」という歴史主義になってしまうので、気をつけないといけないのだが。