リュシアン・フェーヴル「フランス・ルネサンスの文明」

「実証的だが無味乾燥な社会史は、子供にとって興味を引くものではないので、歴史教育は血沸き肉踊るような『歴史物語』を…」といった言説は、明らかに怠慢でしかないと思える本。優れた語り手がいれば、その実証性を崩さなくても歴史は十分面白い。
リュシアン・フェーヴルは、マルク・ブロックとともにアナール学派第一世代の重鎮として知られる。ブロックやブローデルほどには一般的な認知度は高くないが、もっと読まれてもいいのではないかと思う。