おすすめ教科書

で、まあついでに他の教科書も読んでみたわけですが*1、個人的に帝国書院のが最もおすすめできると思いました。
まず、一番キャラが萌える日本も含めた世界の各地域が連動して進む「世界史」を教えようとしているところがいい。文脈的に世界から切り離された各国史(日本史)なんて歴史教育として意味がないわけですよ。その点この教科書は地図など視覚的な媒体によって、分かりやすく世界史の中の日本史を描こうとしています*2。たとえばイギリス(西欧)の産業革命社会主義の登場−日本の産業革命・労働運動の隆盛、あるいは、欧米の市民革命−日本の自由民権運動が比較史的に対置されていることとか。これは割と当たり前の話に見えて、意外に他の教科書ではやっていないところなので良いと思います。
あと社会史重視なところ。ただ秋葉原の歴史は藪蛇だと思いますよ!
あんま関係ないんですが、この教科書、たまに執筆者が読者に向かって謎をかけてくるのですが、事前知識があると必要以上に悩みますね。だって、さんざん鉄砲の重要性について読まされたあと、小和田哲男に「織田・徳川連合軍が戦国最強といわれた武田騎馬隊に、勝ちました。なぜ勝てたのかな。図①(長篠合戦屏風図)をよく見てごらん」なんて言われたら、「しまった!これは巧妙な叙述トリックだ!」って思うじゃん?思わないカナ?

*1:父親が地元の社会科教科書選考に若干関わっているので実家に転がっているのです。

*2:つくる会とは対照的か