合衆国独立やフランス革命に比べて説明しづらいのはわかるんだけどさあ

つくる会の教科書(新版)を読んでみた。さすがに旧版よりはマシになっていたのだが、やはり非専門家が書いた教科書だなあという部分が多々見られた。たとえば

http://www.tsukurukai.com/05_rekisi_text/HP_kaitei_pdf/kaitei_43.pdf
43産業革命と市民革命
アメリカの独立とフランス革命
いっぽう、17世紀後半から18世紀後半にかけて、政治の方面でも新しい動きがおこった。1688年、イギリスでは、国王が他の身分の人々の権益を侵害したとして、議会が新しい国王をむかえた(名誉革命)。これによって立憲君主制が確立し、議会制度の基礎がつくられた。

適当すぎやしないか。まず清教徒革命にふれないのはどうか。イギリスでの革命があっさり進んだ印象を与えかねない。名誉革命に至る流れは二つあって、一つはマグナカルタから続く国王と貴族・都市の対立、もう一つは宗教の対立なわけだけれど、そもそも名誉革命の直接の原因って後者だった気がするぞ(ジェームズ2世カトリック重用)。文脈が完全に切り離されている以上、「国王が他の身分の人々の権益を侵害したとして」というのは誤りだろう。スペースの問題だとしても、もう少しまともな記述にできないのかと思いましたとさ。
あと、その上の

かつてのイギリスは、田園が広がり、馬車がのどかに行きかう農業中心の社会だった。

という部分。いや気持ちは分かるが、あんたが見ているの明らかに産業革命以降につくられた表象だから。
だからこーゆーイメージとかフィーリングとかで書いてる部分をなんとかせーっての。