天野こずえ『ARIA』7巻

なんか急速に藍華斎藤千和、アリス:広橋涼というキャストにマッチしてしまっていた。声優サッカーで言えば、日本のデルピエロであるところの千和と、日本のファンデルファールトであるところの広橋の起用とはすなわち、完成された個人技の演舞を意味するが、ARIAの戦術はそのようなものではなかったはずだ。最初にキャスティングを見たとき、この2人の起用はチーム全体のリズム崩すんじゃないかと思っていたら、いつの間にかこの2人に合うリズムにチームがなっていた。
結局、風景が解釈され始めてしまっている、ということなのだろう。発見される風景から解釈される風景へ。AQUAの偶有的な風景において、その偶有性が過度に強調されるとき、人は安直な人物中心的なロマン主義に陥る、そして、ロマン主義とはいつの時代も陳腐なものなのだ。