林健太郎「ドイツの統一と戦争」『林健太郎著作集3』

ウィーン体制からドイツ帝国成立までを、政治史中心に追っていく。多面的な視点から、簡潔にまとめられた良い通史だと思う。ただ、勿論様々な留保は付けているのだけど、総論としてはドイツ統一自体は肯定すべきものであるとみなされているのに多少違和感が。別にその見解に文句をつける気はないのだけど、個人的にはどちらかと言えば、統一運動の影で切り捨てられていったもの、あるいは人々のほうに興味があったりするので。