憤死しかけた

http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20071014/p1
ちょっと日本にいない間にいつのまにこんなことが。うっかり読んでしまい、元の文読んだら絶対憤死すると思ったけれど、まあ一応読んでみたら案の定生死の境を彷徨った。なんだろう。私の知っている範囲での歴史研究者・歴史学徒はだいたいあの検定は酷いという立場だし、学会やら何やらで抗議声明とかもいろいろ出されたはずなので、何が中立かで言えばあの検定は酷く政治的に偏っていた、が中立だと思うんだがどうか。行政が学問的に中立であるべき教科書検定に対して圧力をかけるなら、国会がそれに対して抗議を行うのは権力の分立にとってむしろ良いことのような気がした。
ところで、歴史屋はこういうのを見て私と同じようにいちいち憤死しているのかと思ったら、どうもそうではないらしいというのが今回のセミナーで分かった。セミナーでももちろん歴史修正主義についての議論は出たけど、そういう自明な嘘に真っ向から反発するにはどうすればいいか、ではなくて、むしろ、何故日本ではこのような修正主義言説が広まったのか、といった、修正主義すらも歴史学として把握する議論になっており、ああそっちのほうが建設的だなあと思った。一方で、南京大虐殺について講演にきていた笠原先生が、私はこれからも修正主義と戦って行くつもりであるということを宣言していて、それも素直に格好いいなあとも思った。