ネオナチとプロイセン主義

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050509-00000555-reu-int
「戦う民主主義」だなあという話はおいといて、写真の中でネオナチが掲げている旗に黒・白・赤のドイツ帝国国旗(プロイセン国旗が原型)が目立つことが気になった。もちろん黒白赤はナチスドイツの戦闘旗でもあったからそれ自体に違和感はないのだけれど、むしろそれを掲げたくなる心理は何なのか。ネオナチがナチズムに対して抱く郷愁は単なる反ユダヤ主義的部分だけではなくて、ナチス自体が公言して隠そうともしなかったような、第二帝政との連続性の部分もあるということの表れかもしれない。ナチズムがドイツの歴史において連続的なものか特異的なものかに関しては議論があるところだけれども、少なくともその時代を懐かしむ者たちは、ナチスそのものよりもむしろ第二帝政の栄光とか、国防軍神話に象徴されるようなプロイセン主義的誇りのような部分にコミットしている面が大きい気がする。あるいは、単にハーケンクロイツだと逮捕されるからなのかもしれないけど、では(ナチスの旗でもある)黒白赤なら良いのかという点で、やはりドイツが抱える歴史の二重性が見えるかもしれない。まあ、ネオナチの人たちが、黒白赤がドイツ帝国の旗だと知っているとは限らないけど。