重慶の問題と愛国心

とりあえず、国歌演奏中のブーイングがムカつくという人は、中国人に日本の戦争中の行為が云々言われても、「関係ない」という反論をしてはならないことはFAだと思う。それだけ国家と自分を同一化しているってことだから。国旗・国歌はその国を象徴しているものだからこそ、当然その国に対する怒りのアピールとして、まず攻撃されてしまうのは仕方がないと思う。サッカーというスポーツにそういう政治的な物事を持ち込むなという人もいるが、そういう人に限ってサッカーに「健全なナショナリズム」とやらを見出してたりするんじゃん。政治とナショナリズムは分割不可能なわけで。*1
個人的には、重慶での中国人の行為は問題があるものもあると思う。ただ、それへの反発が、その多くは基本的に「オレ様の愛国魂を侮辱するなんて、なんて失敬なヤツラなんだ!」というものなのはもっとどうかと思う。「国歌演奏中のブーイングはマナー違反」「60年前の戦争を持ち出して来て『反日』教育を」なんてのは、そういうことだろう。あらゆる「国民」は、その国家に対する愛国心を自然な感情として持っており、それは互いに神聖不可侵なものである云々。まあ、ぶーぶー罵倒するのは愛国心的に気持ちいいんでしょうけど、本当に根本的な解決を図りたいならば、お互いに歩み寄って個々に話し合うしかないんだろうなあ。時間はかかるだろうが。愛国心は創られるものであり、その愛国心が引き起こした対立心なんてものは所詮ウソ感情でしかないのだけれど、そのウソ感情は中々手ごわいものがあって。

*1:サッカーに国家の誇りがかかった勝負を見出すならば、ホスト国として優勝を狙っている中国が、前大会優勝国である日本の、相手チームを応援するのは割りと当たり前。てか、オリンピック予選の日本ラウンド、レバノンバーレーン戦は多数のレバノンを応援する日本人サポが詰め掛けていたはずだ。